2022年05月12日

PS Audio Digital LinkVレビュー

まず、こんな古いものを?と言われそうですが、入手して大変満足しましたので、レビューしたいと思います。

Digital LinkV(以下、DLV)はDACです。日本では代理店として完実電気さんがついて2006年に発売されています。今は2022年なので、かなりの昔の製品になります。3万円以下で入手しました。かなり古いので、実際に音を聴くまではとても心配でした。しかし、音を聴いてみると驚くことに今でも通用するものだ、とすぐにわかりました。ZEN DAC Signature V2をも上回っています。ちょっと信じられないくらいでした。当時の定価は本国アメリカでは1000ドルを切るくらい、日本ではおそらく13万くらいだったでしょうか。定価ベースでみればDLVがずっと上なのであまり驚くことはないのかもしれませんが・・
何にしましても前回の記事を裏切ることになってしまいそうです(汗)

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前面と天面にゆるやかな凹みがあります。当時はお金がかかっていたんだな〜と思います。意気込みも感じます。写真ではわかりませんが、奥行きがかなりあります。半分くらいは電源トランスが占めているようで、この製品の有利な点だと思います。

このDACは96kHzか192kHzに強制的にサンプリングされなおされます。どちらにするかはセレクトボタンで選びます。今の視点から言うとマイナスですね。Nativeかアップサンプリングか選べると現代的ですね。

DACチップは、TIのPCM1798DBというもののようです。デジタル入力は、同軸、オプティカル、USBがありますが、私は同軸接続しています。出力は我が家ではRCAです。本当はバランス出力を使ってみたいですが・・

マイナス面をもう一つ書くと、DSD音源をPCM変換したものを聴いてみましたが、若干不具合がありました。大まかに言って1分に1回くらい一瞬音がおかしくなることです。わかりにくい不具合ですが、ちゃんと聴いてればわかります。ビットレートの高さが原因ではないかと想像しています。しかし我が家で聴く音源はほとんどDSDがないので問題ありません。

次に肝心な音質について書きます。

Donald Fagen / The Nightfly
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これはあまりにも有名なアルバムですが、発表が1982年と古いです。しかし我が家の体験ではシステムがグレードアップするたびに音質の良さが発揮される非常に優れたアルバムだと思います。今回また良くなりました。平面的でなく奥行きや、実在感があります。解像度も高いので、Fagenとそのスタッフの音の魔術師ぶりが思い切り発揮されています。音数がとても多い音源ですが、空間表現が豊かなので分離よく聞こえます。


Olafur Arnalds / Sunrise SessionU
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Sunrise SessionUは今年発表の音源ですがTwitterで、あるマスタリングエンジニアさんが「めちゃくちゃ録りが良い」と言われていた音源で、音質評価のリファレンスにしても良さそうなものです。これはDLVの良さが端的にわかると言えるかもしれません。The Nightflyについて書いたことと重複しますが、この音源の引き込まれるような鮮やかな音のリアリティー、解像度、情報量、とりわけ空間表現が素晴らしいです。立体的なので楽しく聴けます。加えて言うと、このDACは、低域の再現力が高く低音の動きがよくわかります。

現代の視点で見ても、全帯域においておかしな所はありません。今まで聞こえなかった音も聞こえてきます。空間表現について繰り返し書きましたが、我が家のアンプも空間表現が優れていますので、相乗効果でさらに良くなりました。このおかげか、音楽に退屈しません。無機質的な感じがしなくて音色も良く、はっきりと好きなDACと言えます。様々なDACと比較していませんので、あまり具体的な音質評価でないことをお許しください。

昨年後半からずっと良いDACはないものかと思い続けてきましたが、思ってもみない拾いものをした気持ちです。今はこのDACに大満足です。あとは壊れないことを願うばかりです。


posted by kenn at 21:51| Comment(0) | audio全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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